余命2年の王子様
私の退院まであと3日となった朝。
朝から彰は、またご飯残してた。
『最近、また残すようになったね。』
『うん。本当に体調が優れないんだ。』
彰の顔は真っ青で、麻里亜は、心の中で彰は、死んでしまうんじゃないかと不安になった。
実は、母との電話で彰の病気は、胃がんではないかと疑問抱くようになった。
でも麻里亜から聞かない。彰から打ち明けてくれるその日まで待っているつもりだ。
この3週間、友達が見舞いに来てくれた。
偶然、彰がいない時だったが。
『麻里亜、恋してるね。』
彼女は、石川ななみ。麻里亜とは大学からの親友。現在、結婚して、双子姉妹のママだ。
『はぁ?私が彰さんに?』
彰と2人は呼び捨てだが、ななみの前は、さん付けだ。呼び捨てにするとなんてからかわれるか分かったもんじゃない。
『だって、明らかに顔が乙女だよ。好きなら好きってはっきり気持ち伝えなよ。』
『友達だってば~~!!!』
『そろそろ、双子のおむかえだから、退院したら、みんなで退院祝いするからね』
そう言って、ななみは、帰っていった。
入れ替わりで彰が帰ってきた。
『あ、今、友達来てた?』
『もう帰ったから大丈夫。検査?』
『ううん。ちょっと院内散歩。気分転換に行ってきただけだから。あ、これ、麻里亜にあげる。』
彰から貰ったのは、ミルクティーだ。
彰は、普通の水。申し訳なさすぎる。
『申し訳ないよ。彰、いいの?』
彰は、笑いながら言った。
『僕は、ずっと水ばっかりだよ。たまに麦茶飲むくらいで慣れてるから気にしないで。』
『でも、せめてお代は払うよ』
『いいよ。僕からのプレゼントだよ。素直に受け取ってほしいな。』
彰は、笑いながら言った。
『ありがとう。大事に飲むね』
『嬉しいな』
彰は、優しく笑った。
ーーーーーーーーーー
~彰side~
主治医の先生の診察が終わって、病室へ戻ろうとしたら、麻里亜と麻里亜の友達らしき人と会話がまた偶然、聞こえた。
麻里亜は、僕のこと好きだって言葉か聞こえた。
麻里亜は、そんなことないって言うが、僕は、正直、麻里亜が好きだ。
でも余命2年しかないし、僕を好きになっても末永く麻里亜を幸せにできない。
むしろ不幸にするだけだ。
だから、麻里亜、僕を好きというのは、どうか、友達の好きであってくれ。
そう願って、僕は、あえて、遠い自販機へ行って、水と麻里亜にミルクティーを買った。
これは、僕からの気持ちなんだ。
いつも話し相手になってくれて、ありがとうって。
病室へ戻ると友達は、帰っていた。
麻里亜から『検査?』と聞かれたけど、正直に散歩と答えた。
麻里亜にミルクティーを渡す。
本人は、申し訳ないとかお代って言ったけど、僕は、素直に受け取って、飲んでくれたら、それでいいんだ。
決めた。麻里亜が退院する前日に全て話す。
~彰side終了~
ーーーーーーーーーー
明日、いよいよ退院する麻里亜。
せっかく仲良くなった彰と別れる寂しさと退院できる嬉しさで複雑だった。
明日は、母が迎えに来る。
今日は、いっぱい彰と話す。たまに会いに来るからと伝える。
『ねぇ、麻里亜。僕、君に言わなきゃならない話がある。』
急にキリッと話しかけ彰。
なんだらろうと構える。
『僕は、胃がんなんだ。余命あと2年しかない。
2年以内に死ぬかもしれないんだ。麻里亜がお母さんと話した日、偶然、話聞いて、僕もなんだよって言おうとした。でも麻里亜が悲しむ顔見たくなくて、ずっと黙ってた。ごめん。』
胃がん
麻里亜は、父と同じ病である衝撃で、空いた口が塞がらなかった。
でも彰は、気を使ったのだ。
胃がんで父亡くした麻里亜は、母と2人で苦労した。だから、悲しませたくなかったのだ。
『ごめん』
『いいよ。話してくれてありがとう。私も実は、彰は、胃がんじゃないかって思ってた。彰から話してくれるの待ってたよ。』
これは、嘘じゃない。
麻里亜は、静かに涙を流した。
『あと私からもいい?私、彰が好き。あなたの優しさ、全てが』
『僕は、2年しか生きられないんだよ?付き合っても幸せには、できないよ。デートでいい場所連れて行ってあげれないよ?』
『それでもいい。彰さえいてくれたら、私は、何も望まない!!』
必死だった。こんなにもここまで人を好きになったのは、はじめてだったから。
『分かった。麻里亜の思い、受け止めたよ。』
観念したかのような薄い笑み浮かべた彰がいた。
私も頬ゆるめた。
ハッとして、後ろや廊下を確認した。
宮野さんがいるかと思ったが、他の看護師さんや患者さんが私の告白を見守ってたようだった。
いつの間にかギャラリーがいたことに彰も私も恥ずかしくなった。
周りは、拍手していた。
こりゃぁ~絶対絶対に宮野さんにも知られる。
彰は『ははは』と軽く笑ったのだった。
ーーーーーーーーーー
『麻里亜ちゃん、彰くん、カップル成立おめでとう!』
案の定、宮野さんが明るい声で昼ごはん運んできた。
『もうナースステーションは、2人の話題でいっぱいよ。お似合いのカップルだって!』
私は、恥ずかしくて、顔真っ赤だ。
『じゃあ、2人きりにするわね!』
楽しそうに去っていった宮野さん。
『食べれそう?』
もうこれは、恒例になっている。彰にご飯食べれるかと聞くのは。
『体調いいから食べれるよ。いつもありがとう。明日から麻里亜の声聞けないと思ったら、寂しいな。』
『会いに来るから大丈夫。』
『そうだね。』
昼ごはん食べて、彰と屋上にいった。
天気良くて、気持ちよい。
『ねぇ、あのとき、私が退院してもご飯しっかり食べるんだよって言った時、暗かったけど、なんで? 』
『あぁ。あれ、麻里亜とご飯食べたり、話し相手いなくなるの寂しいなって意味だったんだ。
でも麻里亜は、退院しても会いに来るって言うから、もう寂しいって思わない。』
そうだったんだ。
彰は、ずっと1人で戦ってる。私が幸せにしてあげなきゃ。
そっと彰の手を握ったら、彰も握り返してくれた。
『ありがとう。麻里亜。』
『私こそ』
私たちは、夕飯まで寄り添った。
ーーーーーーーーーー
~麻里亜side~
私は、入院から2週間すぎてから彰が好きって気づいた。
この好きは、恋愛か友情か、わからなかった。
彰の優しさに惹かれていたのは、事実だ。
彰が胃がんで余命2年と知った時、悲しかった。
彰は、彰で私が悲しまないように黙ってたらしい。
話してくれてありがとう。
彰が私にしてくれた優しさ、今度は、私がお返しする番だよ。
~麻里亜side終了~
ーーーーーーーーーーー
病室に戻ると宮野さんがニヤニヤしてた。
『あら、デート?ラブラブ』
『まぁね』
もう宮野さんの冷やかしに慣れた私が居る気がしてならない。
『彰くん。明日、先生からお話あるの。朝、10時ごろにいつもの診察に来てね。』
『わかりました。』
何か深刻な問題見つかったのだろうか?
私が不安だと分かったのか、彰は、微笑んだ。
まるで『大丈夫だよ。』と言ってるかのようで、私も微笑み返したのだった。
朝から彰は、またご飯残してた。
『最近、また残すようになったね。』
『うん。本当に体調が優れないんだ。』
彰の顔は真っ青で、麻里亜は、心の中で彰は、死んでしまうんじゃないかと不安になった。
実は、母との電話で彰の病気は、胃がんではないかと疑問抱くようになった。
でも麻里亜から聞かない。彰から打ち明けてくれるその日まで待っているつもりだ。
この3週間、友達が見舞いに来てくれた。
偶然、彰がいない時だったが。
『麻里亜、恋してるね。』
彼女は、石川ななみ。麻里亜とは大学からの親友。現在、結婚して、双子姉妹のママだ。
『はぁ?私が彰さんに?』
彰と2人は呼び捨てだが、ななみの前は、さん付けだ。呼び捨てにするとなんてからかわれるか分かったもんじゃない。
『だって、明らかに顔が乙女だよ。好きなら好きってはっきり気持ち伝えなよ。』
『友達だってば~~!!!』
『そろそろ、双子のおむかえだから、退院したら、みんなで退院祝いするからね』
そう言って、ななみは、帰っていった。
入れ替わりで彰が帰ってきた。
『あ、今、友達来てた?』
『もう帰ったから大丈夫。検査?』
『ううん。ちょっと院内散歩。気分転換に行ってきただけだから。あ、これ、麻里亜にあげる。』
彰から貰ったのは、ミルクティーだ。
彰は、普通の水。申し訳なさすぎる。
『申し訳ないよ。彰、いいの?』
彰は、笑いながら言った。
『僕は、ずっと水ばっかりだよ。たまに麦茶飲むくらいで慣れてるから気にしないで。』
『でも、せめてお代は払うよ』
『いいよ。僕からのプレゼントだよ。素直に受け取ってほしいな。』
彰は、笑いながら言った。
『ありがとう。大事に飲むね』
『嬉しいな』
彰は、優しく笑った。
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~彰side~
主治医の先生の診察が終わって、病室へ戻ろうとしたら、麻里亜と麻里亜の友達らしき人と会話がまた偶然、聞こえた。
麻里亜は、僕のこと好きだって言葉か聞こえた。
麻里亜は、そんなことないって言うが、僕は、正直、麻里亜が好きだ。
でも余命2年しかないし、僕を好きになっても末永く麻里亜を幸せにできない。
むしろ不幸にするだけだ。
だから、麻里亜、僕を好きというのは、どうか、友達の好きであってくれ。
そう願って、僕は、あえて、遠い自販機へ行って、水と麻里亜にミルクティーを買った。
これは、僕からの気持ちなんだ。
いつも話し相手になってくれて、ありがとうって。
病室へ戻ると友達は、帰っていた。
麻里亜から『検査?』と聞かれたけど、正直に散歩と答えた。
麻里亜にミルクティーを渡す。
本人は、申し訳ないとかお代って言ったけど、僕は、素直に受け取って、飲んでくれたら、それでいいんだ。
決めた。麻里亜が退院する前日に全て話す。
~彰side終了~
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明日、いよいよ退院する麻里亜。
せっかく仲良くなった彰と別れる寂しさと退院できる嬉しさで複雑だった。
明日は、母が迎えに来る。
今日は、いっぱい彰と話す。たまに会いに来るからと伝える。
『ねぇ、麻里亜。僕、君に言わなきゃならない話がある。』
急にキリッと話しかけ彰。
なんだらろうと構える。
『僕は、胃がんなんだ。余命あと2年しかない。
2年以内に死ぬかもしれないんだ。麻里亜がお母さんと話した日、偶然、話聞いて、僕もなんだよって言おうとした。でも麻里亜が悲しむ顔見たくなくて、ずっと黙ってた。ごめん。』
胃がん
麻里亜は、父と同じ病である衝撃で、空いた口が塞がらなかった。
でも彰は、気を使ったのだ。
胃がんで父亡くした麻里亜は、母と2人で苦労した。だから、悲しませたくなかったのだ。
『ごめん』
『いいよ。話してくれてありがとう。私も実は、彰は、胃がんじゃないかって思ってた。彰から話してくれるの待ってたよ。』
これは、嘘じゃない。
麻里亜は、静かに涙を流した。
『あと私からもいい?私、彰が好き。あなたの優しさ、全てが』
『僕は、2年しか生きられないんだよ?付き合っても幸せには、できないよ。デートでいい場所連れて行ってあげれないよ?』
『それでもいい。彰さえいてくれたら、私は、何も望まない!!』
必死だった。こんなにもここまで人を好きになったのは、はじめてだったから。
『分かった。麻里亜の思い、受け止めたよ。』
観念したかのような薄い笑み浮かべた彰がいた。
私も頬ゆるめた。
ハッとして、後ろや廊下を確認した。
宮野さんがいるかと思ったが、他の看護師さんや患者さんが私の告白を見守ってたようだった。
いつの間にかギャラリーがいたことに彰も私も恥ずかしくなった。
周りは、拍手していた。
こりゃぁ~絶対絶対に宮野さんにも知られる。
彰は『ははは』と軽く笑ったのだった。
ーーーーーーーーーー
『麻里亜ちゃん、彰くん、カップル成立おめでとう!』
案の定、宮野さんが明るい声で昼ごはん運んできた。
『もうナースステーションは、2人の話題でいっぱいよ。お似合いのカップルだって!』
私は、恥ずかしくて、顔真っ赤だ。
『じゃあ、2人きりにするわね!』
楽しそうに去っていった宮野さん。
『食べれそう?』
もうこれは、恒例になっている。彰にご飯食べれるかと聞くのは。
『体調いいから食べれるよ。いつもありがとう。明日から麻里亜の声聞けないと思ったら、寂しいな。』
『会いに来るから大丈夫。』
『そうだね。』
昼ごはん食べて、彰と屋上にいった。
天気良くて、気持ちよい。
『ねぇ、あのとき、私が退院してもご飯しっかり食べるんだよって言った時、暗かったけど、なんで? 』
『あぁ。あれ、麻里亜とご飯食べたり、話し相手いなくなるの寂しいなって意味だったんだ。
でも麻里亜は、退院しても会いに来るって言うから、もう寂しいって思わない。』
そうだったんだ。
彰は、ずっと1人で戦ってる。私が幸せにしてあげなきゃ。
そっと彰の手を握ったら、彰も握り返してくれた。
『ありがとう。麻里亜。』
『私こそ』
私たちは、夕飯まで寄り添った。
ーーーーーーーーーー
~麻里亜side~
私は、入院から2週間すぎてから彰が好きって気づいた。
この好きは、恋愛か友情か、わからなかった。
彰の優しさに惹かれていたのは、事実だ。
彰が胃がんで余命2年と知った時、悲しかった。
彰は、彰で私が悲しまないように黙ってたらしい。
話してくれてありがとう。
彰が私にしてくれた優しさ、今度は、私がお返しする番だよ。
~麻里亜side終了~
ーーーーーーーーーーー
病室に戻ると宮野さんがニヤニヤしてた。
『あら、デート?ラブラブ』
『まぁね』
もう宮野さんの冷やかしに慣れた私が居る気がしてならない。
『彰くん。明日、先生からお話あるの。朝、10時ごろにいつもの診察に来てね。』
『わかりました。』
何か深刻な問題見つかったのだろうか?
私が不安だと分かったのか、彰は、微笑んだ。
まるで『大丈夫だよ。』と言ってるかのようで、私も微笑み返したのだった。