捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
オースティンもアシュリーが偽物の聖女ではないことくらいわかっている。
でなければ魔獣から国を守る結界を十年も張り続けることなどできはしない。
しかし国民の怒りを抑えるためには必要なことだった。
アシュリーとエルネット公爵家にすべてを押しつけるためには彼女を犠牲にするしかない。
本当は予備に取っておきたいが、アシュリーにはエルネット公爵家の影が永遠に付き纏う。
父と母は何よりもエルネット公爵家を切り離したいと願っていた。
(ギルバートもどうせアシュリーの能力目当てで結婚したんだろう!?あの女には結局それだけしか能がないんだ)
アシュリーを思い出して苛立っている横で、ユイナはうっとりとした瞳で肖像画を見ていた。
「アシュリー様、とっても綺麗……」
オースティンの隣で幸せそうに微笑むアシュリーの姿。
思い出すのは、いつも困ったような笑みを浮かべながらこちらの顔色を窺っていたアシュリーの姿。
聖女と呼ばれており白やアイボリーの服を好んでいたアシュリーは、淡い色の口紅をつけて微笑んでいる。
そんなアシュリーの姿を改めて見ると彼女は本当に美しかった。
エルネット公爵家から全く出てこない引きこもり。
治療の時と最低限のパーティーや式典にしか顔を出すこともない。
王宮で結界を張る以外にオースティンに会いに来ることもしなかった。
でなければ魔獣から国を守る結界を十年も張り続けることなどできはしない。
しかし国民の怒りを抑えるためには必要なことだった。
アシュリーとエルネット公爵家にすべてを押しつけるためには彼女を犠牲にするしかない。
本当は予備に取っておきたいが、アシュリーにはエルネット公爵家の影が永遠に付き纏う。
父と母は何よりもエルネット公爵家を切り離したいと願っていた。
(ギルバートもどうせアシュリーの能力目当てで結婚したんだろう!?あの女には結局それだけしか能がないんだ)
アシュリーを思い出して苛立っている横で、ユイナはうっとりとした瞳で肖像画を見ていた。
「アシュリー様、とっても綺麗……」
オースティンの隣で幸せそうに微笑むアシュリーの姿。
思い出すのは、いつも困ったような笑みを浮かべながらこちらの顔色を窺っていたアシュリーの姿。
聖女と呼ばれており白やアイボリーの服を好んでいたアシュリーは、淡い色の口紅をつけて微笑んでいる。
そんなアシュリーの姿を改めて見ると彼女は本当に美しかった。
エルネット公爵家から全く出てこない引きこもり。
治療の時と最低限のパーティーや式典にしか顔を出すこともない。
王宮で結界を張る以外にオースティンに会いに来ることもしなかった。