捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
しかしエルネット公爵に責任を取らせようとしても、アシュリーはもうペイスリーブ王国のギルバートの元へ嫁いでしまったために不可能だった。

サルバリー王国とペイスリーブ王国との仲はよくもなく、悪くもないが武力でペイスリーブ王国に敵うことはない。
なんせ武力で魔獣を倒しているのだ。
今は結界の効果もあって均衡を保っているが、理由さえあればサルバリー王国に攻め込んでくるのではないかと冷や冷やしていた。
結界は魔獣は弾いてくれるが、ペイスリーブ王国が攻め込んでくればサルバリー王国は抵抗する手立てはない。

(ユイナがいる限り、サルバリー王国は安泰なんだ)

ギルバートがアシュリーを見る視線に嫌なものを感じていた。
ギルバートが婚約しないことで誰かを一途に想っていたという噂が流れていたが、どうやら本当だったようだ。
オースティンとアシュリーの婚約はアシュリーの力がわかってすぐに結ばれた。
ギルバートはすぐにアシュリーを手に入れようと動いたのだろう。


「こんなに美しい人が、この世界にはいるんですね!」

「………」


どうやらユイナはアシュリーの容姿のことを言っているようだ。
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