捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
自分が原因でロイスと両親の仲まで悪くなってしまう……それを心苦しく思い「わたくしが悪いのです!」と、ロイスを止めようと必死になっていた。
すべては優しい兄の未来を守るためだと思った。
両親に邪魔だと突き飛ばされたアシュリーをバートが支えた。
クララがアシュリーの元に駆け寄る。


「ありがとうございます、バート様」

「……いえ」


そこで両親を睨みつけるバートの存在に気づいたのだろう。
両親はやっと喧嘩をやめた。
しかし気持ちが収まらないのか、バートに挨拶をした後に隣の部屋へと移動する。
バートがアシュリーを抱えて部屋へと運んでくれた。
結局、両親は納得していなかったがロイスとバートの説得でアシュリーは休むことになった。
ロイスが両親と話し合っている間、アシュリーはバートと他愛のない話をしていた。
クララが紅茶と菓子を置いて後ろに待機している。


「申し訳ございません。お見苦しいところをお見せしてしまって」


アシュリーが謝罪するとバートは緩く首を横に振る。
そしてある言葉を口にする。


「ずっとこうなのですか?」

「……っ!」
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