捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
「そんなっ……嫌よ!」
「ごめんなさい、ユイナ様。これ以上、話すとギルバート殿下に迷惑が掛かってしまうから言えないわ……本当にごめんなさい」
「……っ!」
アシュリーに詳しく話を聞きたくて仕方なかった。
けれどこれ以上言えないと言われてしまえば、どうすることもできなかった。
「どうかご自分のことを大切にしてね、ユイナ様」
「……!」
「このことは他人に言わない方がいいわ。何も知らないユイナ様をいいように使いたい人たちがたくさんいるでしょうから」
確かにユイナはこの国のことを何も知らない。
皆に言われるがまま治療をしてきた。
それに今まで数えきれないほどの人を治療している。
何回も何十回も、何百回も……そう思った瞬間、恐怖に足が震えた。
「わたくしのようになりたくなければ何も言ってはダメよ」
「………!」
アシュリーの真っ赤な唇に人差し指があてがわれる。
「あの……!」