捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
そんな三人に対してアシュリーは今が最高に幸せだと、この国にいたことが不幸だったのだとユイナを通じて伝えたのだ。
そして……こんなにもあなたたちを恨んでいる、と。

アシュリーが簡単に手出しできない立場にいるのもあるが、プライドの高いサルバリー国王と王妃、オースティンのことだ。
あれだけのことを言っておいて、再び頼むことはできないだろう。


「……本当に目障りで嫌になるわ」

「けれどアシュリーの計画通りなんだろう?」

「えぇ、そうよ。今日はあの人たちが恥をかいている姿を見ることができて満足だわ」

「アシュリーに喜んでもらえたのなら良かったよ」


ギルバートは嬉しそうにアシュリーの手の甲に唇を寄せた。
彼は本当にいい働きをしてくれる。
アシュリーの望むように動き、すべての脅威から守ってくれている。
ギルバートと結婚してからアシュリーは久しぶりに幸せを感じていた。
今までがおかしかっただけなのだが。

アシュリーはペイスリーブ王国を守るために自ら進んで力を尽くしていた。
それが苦ではない。
誰かのためでなく自分の気持ちを優先して動いている。
国民たちもアシュリーに寄りかかるばかりでなく互いに補い合っている印象だ。
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