捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
両親はアシュリーが思っていたよりも、ずっと金遣いが荒かったようだ。
手切れ金としてペイスリーブ王国はあの二人に大金を渡した。
アシュリーはその恩を返すために無償で力を使っているのかもしれない。

ギルバートはエルネット公爵家の様子を窺うために人を派遣してくれている。
アシュリーの耳には二人の愚かな行いが定期的に届いていた。
『エルネット公爵家は破産寸前まで追い込まれている』
今までそれだけ多くの金を得ていたのだろう。
アシュリーもいないため収入源がなくなって焦ったエルネット公爵は無理に税を引き上げたせいで領民から大きな反発を受けたそうだ。
親戚に金の無心をし続ける二人に愛想を尽かして、金を貸さなくなっていった。
給金も払えなくなり、エルネット公爵邸からは次々と人が去っていく。
税もうまく調達できずに破産に追い込まれていく。

ロイスとアシュリーと関わりを絶つと契約書に書いたのにもかかわらず、ペイスリーブ王家に『少しの間でいいからアシュリーを貸してくれ』『金を貸してくれ』といった内容の手紙が届いていた。
正式な契約をしているため、ペイスリーブ王家は一切相手にしていない。
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