捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
しかし父はユイナの言葉に頷いた。


「わかった。オースティンとの婚約は破棄しよう」

「……!」

「だが、今すぐにオースティンの治療をしてくれ!」


それを聞いたユイナは頷くこともなく、更に言葉を続けた。


「わかりました。ですが他の人たちにしていた治療も毎日結界を張る作業もすべて止めさせてもらいますから」

「おいっ、それは話が違うぞ!」

「ユイナ……お願いだから、そんなわがままばかり言わないでちょうだい」

「なら私は治療しませんから!」


オースティンはユイナの態度に憤激して殴りかかりそうになるのを何とか抑えていた。
生意気な態度に殺意すら覚えるが、オースティンを治療してもらうことが今は何よりも優先だった。
それにユイナに罰を与えたところで、反発は大きくなるだけだろう。

(アシュリーはこんなことを一度も言ったことはないっ!扱い辛い異世界人め……!)
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