捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
父の手も大きく震えていた。
しかし自らを落ち着かせるように深呼吸をした後に頷く。
「わかった……皆にもそう伝えてくれ」
「ですが、サルバリー国王陛下ッ!」
父の背後に控えてる宰相が焦ったように声を上げる。
オースティンだけを治療しているのが知れ渡れば、貴族や大臣たちの反発は必至だろう。
それよりも結界がなくなり魔獣が入り込むようになれば国民の反発は免れない。
騎士を派遣するにしても力のないものばかりでは意味もない。
「魔術師に連絡はとれたか!?次の聖女を呼び出せ」
「連絡はとれましたが……また大金を要求してきています」
「……クソッ!」
ユイナが使えないのなら、次の聖女をと魔術師に連絡を取ったらしいが、前回を超える大金を要求されてしまう。
『お金が貯まったらまた連絡をしてくれ』
そんな魔術師の言葉に絶望していた。
サルバリー王国がこれからどうなってしまうのか。
考えるだけでゾッとする。
「仕方ないがユイナは病床に伏せっていることにする」
「そ、そんな!国はこれからどうなるなってしまうのですか!?」
「致し方ない。今すぐに魔獣の対策する……大臣たちを集めてくれ」