捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
「本当に、ありがとう」
「……もう、いいですか?」
「え……?」
ユイナは明らかに苛立ちを露わにしている。
彼女が握る手のひらはブルブルと震えていた。
「ユイナ……?一体、どうしたんだ?」
「………」
「な、何か欲しいものはないか?また新しいドレスを作るのはどうだろうか」
「ドレスなんていらないわ!他の人にプレゼントすればいいんじゃないんですか?」
「なっ、何を……」
「あなたと話したくない。もう部屋に戻らせて」
ユイナは目を合わせることもなく、そのまま部屋から立ち去ってしまった。
重たい体を引き摺ってオースティンは父と母の元に向かう。
ユイナは治療すること自体を拒否し続けていて、結界も張ることはない。
側妃を迎える案が侍女たちの口から漏れたことが決め手となってしまったようだ。
オースティンだけを治療していることを悟られぬようにしなければいけない。
辺境からは助けを求める声が届いた。
魔獣が入り込んでいると噂を聞いて貴族たちも説明しろと王宮に押し寄せてくる。
サルバリー王家は追い詰められていく。
ユイナとの婚約は解消されていたことは徐々に広がりをみせた。
「……もう、いいですか?」
「え……?」
ユイナは明らかに苛立ちを露わにしている。
彼女が握る手のひらはブルブルと震えていた。
「ユイナ……?一体、どうしたんだ?」
「………」
「な、何か欲しいものはないか?また新しいドレスを作るのはどうだろうか」
「ドレスなんていらないわ!他の人にプレゼントすればいいんじゃないんですか?」
「なっ、何を……」
「あなたと話したくない。もう部屋に戻らせて」
ユイナは目を合わせることもなく、そのまま部屋から立ち去ってしまった。
重たい体を引き摺ってオースティンは父と母の元に向かう。
ユイナは治療すること自体を拒否し続けていて、結界も張ることはない。
側妃を迎える案が侍女たちの口から漏れたことが決め手となってしまったようだ。
オースティンだけを治療していることを悟られぬようにしなければいけない。
辺境からは助けを求める声が届いた。
魔獣が入り込んでいると噂を聞いて貴族たちも説明しろと王宮に押し寄せてくる。
サルバリー王家は追い詰められていく。
ユイナとの婚約は解消されていたことは徐々に広がりをみせた。