捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
* * *


アシュリーは爽やかな朝の風を感じながら、熱い紅茶をゆっくりと飲み込んだ。
ギルバートは笑顔でアシュリーの元へ。
頬にキスをして、彼は慈しむようにアシュリーの頭を撫でる。


「おはよう、アシュリー。今日はいいニュースがあるんだ」

「何かしら?」

「喜ぶと思うよ?」


ギルバートは内ポケットから真っ白な封筒を取り出した。


「……それは?」

「サルバリー国王からの手紙だよ」

「朝から最悪の気分だわ。今すぐ燃やしてくださる?」


アシュリーはニコリとしたまま表情ひとつ変えずに答えた。


「君なら喜ぶと思ったんだけどね。ユイナが力を使うのを拒否している。僕宛てやペイスリーブ王家相手じゃないところを見るとアシュリーの力を必要としているんじゃないかな?」

「えぇ、そうでしょうね。だから読む必要なんてないのよ」

「あはは、そうか……そうだね」
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