捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
「少しでいい……ッアシュリーに、アシュリーに会わせてくれ!」

「アシュリー様はギルバート殿下と公務に出かけております」

「昨日も一昨日もそう言っていたぞ……!本当は王城にいるのだろう!?」

「契約書に書かれている通り、アシュリー様に関してあなたたちには何の権利もございません。これ以上、騒ぐようならばサルバリー王家に責任を取っていただきます」

「貴様ら、誰に向かって口を利いている!我々は由緒正しきエルネット公爵家だぞ……!?」

「そうよ!今すぐ謝罪なさいッ」
 

見苦しくも地団駄を踏みながら叫ぶエルネット公爵と夫人の姿は見ていられなかった。
懸命に見栄を張っているがその姿はもう……。


「でしたら正式に予定を組んでいらしてくださいませ」

「アシュリーに会わせてくれるだけでいいのよっ!少しだけでいいの……!アシュリーが結婚してから一度も会っていないのよッ!?親子なのにおかしいわよね!?」


エルネット公爵たちはアシュリーが結婚してから、 一度も顔を合わせていないようだ。
しかしループ伯爵の話を聞いた後ではそれも当然のように思えた。
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