捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜

これがアシュリーの望んだ結末だ。
もっと罪悪感に苛まれるかと思ったが心は空っぽのままだった。

(みんな大っ嫌い……)

この気持ちだけは何も変わらなかった。


数日後……オースティンは馬車の中で息を引き取ったそうだ。
サルバリー王国に戻ったが壊滅状態。
魔獣溢れる辺境を抜けるために馬車を捨てて、なんとか城に戻ったサルバリー国王と王妃は待ち構えていた貴族や国民たちに嬲り殺しにされたと聞いた。
サルバリー王国は崩壊し、アシュリーの願いは叶った。

ギルバートは騎士たちを派遣して辺境を魔獣から守り、街を立て直して支持を集めていく。
ロイスとアシュリーは元サルバリー王国の貴族たちをまとめあげた。
サルバリー王家は長い歴史に終止符を打った。
そしてペイスリーブ王国が領地を広げる結果となった。

両親がどうなったかは最後まで知らない。
アシュリーにとってどうでもいい人たちのことなど思い返すにも値しない。
きっとどこかで野垂れ死んでいることだろう。
それでもまったくといっていいほど、アシュリーの心は痛まなかった。
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