捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
「……わたくしったら、悪い子ね」
ふと壁に飾ってある短剣が目に入る。
アシュリーは短剣を手に取ってから静かに瞼を閉じた。
そっと自分の首に剣先を向けた時だった。
「母上──!」
「アシュリー、どこだい?」
自分の名前を呼ぶ声にピタリと手が止まる。
心臓がドクドクという音が体に響いていた。
バタバタと聞こえる足音が部屋の前で止まる。
ドアが開くのと同時……そっと短剣から手を離した。
短剣が床に落ちた瞬間、扉が開く。
「母上……!やっとみつけた」
「アシュリー、ここで何を?」
「ジノ、ギルバート……」
黒色の髪とライトブルーの瞳を持つ男の子が嬉しそうにアシュリーの元に駆け寄ってくる。
ギルバートはアシュリーの足元にある短剣を見て眉を顰めたが、すぐにそれを拾い上げる。
ジノはアシュリーにしがみついて顔を上げた。
「母上、なにか悲しいことがあったの?ぼくにできることはある?」
「…………」
心配そうにアシュリーを見ているジノ。
ギルバートはアシュリーの手が届かないサイドテーブルに置いた。
「父上もぼくもそばにいます。悲しまないでください」
「……ありがとう、ジノ」
「あっ、そうだ!クララが母上を探していましたよ?」
「まぁ、クララが……?」
ふと壁に飾ってある短剣が目に入る。
アシュリーは短剣を手に取ってから静かに瞼を閉じた。
そっと自分の首に剣先を向けた時だった。
「母上──!」
「アシュリー、どこだい?」
自分の名前を呼ぶ声にピタリと手が止まる。
心臓がドクドクという音が体に響いていた。
バタバタと聞こえる足音が部屋の前で止まる。
ドアが開くのと同時……そっと短剣から手を離した。
短剣が床に落ちた瞬間、扉が開く。
「母上……!やっとみつけた」
「アシュリー、ここで何を?」
「ジノ、ギルバート……」
黒色の髪とライトブルーの瞳を持つ男の子が嬉しそうにアシュリーの元に駆け寄ってくる。
ギルバートはアシュリーの足元にある短剣を見て眉を顰めたが、すぐにそれを拾い上げる。
ジノはアシュリーにしがみついて顔を上げた。
「母上、なにか悲しいことがあったの?ぼくにできることはある?」
「…………」
心配そうにアシュリーを見ているジノ。
ギルバートはアシュリーの手が届かないサイドテーブルに置いた。
「父上もぼくもそばにいます。悲しまないでください」
「……ありがとう、ジノ」
「あっ、そうだ!クララが母上を探していましたよ?」
「まぁ、クララが……?」