捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
「アシュリーは特別な力を持っている。そして間違いなくペイスリーブ王国の血を引いているはずだ」

「たしか……お祖母様がペイスリーブ王国出身です。魔法が使えなかったから追い出されてしまったと聞きましたが……」

「いいや、違うよ。アシュリー嬢の祖母は公爵家の令嬢で今のアシュリーと同じ力を持っていたそうだ」

「……わたくしのお祖母様が!?」


アシュリーは驚きから目を見開いた。
今は祖父と離縁しており、祖母はペイスリーブ王国に帰ったと聞いたことがある。
ロイスがペイスリーブ王国で祖母を探していると手紙に書いてあったことを思い出していた。
ギルバートの力を借りて孤児院で働く祖母に会い、アシュリーの現状を話したことで力が発覚したそうだ。
どうにかアシュリーを助けたい……そんな思いからロイスが動いてくれたらしい。


「アシュリーほど大きな力ではないが、君はそれを引き継いでいる。しかし魔法が栄えていないサルバリー王国では知識がなく、こうして悲しい結果になってしまった」

「…………」


祖母はこの力が悪用されることを恐れて、自分の力を隠したのだと語った。
今のアシュリーのようになってしまうことを危惧して逃げたらしい。
そんな話を聞きながら、アシュリーは自身の手のひらを見た。
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