捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
もしもユイナの力が弱まれば良い子で優しいアシュリーは、再び偽りの笑顔に囲まれて、自分を嫌っている男のために、蔑ろにされる王国を守るために結界を張り続けなければいけないのだろうか?
金のことしか頭にない両親のために利用され続けなければならないのか?
そして笑顔ですべてを許さなければならないのか。
答えは、否だ。
許せるわけがないのだ。
この絶望と悲しみは死ぬまで癒えることはないだろう。
憎しみと苦しみがアシュリーの心を支配する。
「ねぇ……ギルバート殿下」
アシュリーはギルバートを見て笑った。
「わたくしの話を聞いてくださいますか?」
「なんだい?」
「わたくし、もう良い子でいるのをやめるわ。だってね、わたくしが損をするでしょう?」
「……アシュリー」
「みんな大っ嫌い……だからわたくしがすべて壊してあげる」
アシュリーの目からは止めどなく涙が流れている。
けれど震える唇は綺麗に弧を描いていた。
もしユイナが異世界から来なければ、アシュリーの立場はまだあったのかもしれない。
しかしこうなった今だから思うのだ。
いつかはこうなっていたのではないかと……。
アシュリーはこうなるとわかっていたのに気づかないフリをしていた。
両親に金儲けの道具にされていたことも。、オースティンに愛されてなかったことも、サルバリー国王と王妃や国民たちにすら疎まれていたことも……。
もちろんアシュリーが知らないことあったけれど、家族を守りたいからと踏み込まないようにしていた。
現実を見ないようにしていたのはアシュリー自身だ。
本当は全部わかっていた。
金のことしか頭にない両親のために利用され続けなければならないのか?
そして笑顔ですべてを許さなければならないのか。
答えは、否だ。
許せるわけがないのだ。
この絶望と悲しみは死ぬまで癒えることはないだろう。
憎しみと苦しみがアシュリーの心を支配する。
「ねぇ……ギルバート殿下」
アシュリーはギルバートを見て笑った。
「わたくしの話を聞いてくださいますか?」
「なんだい?」
「わたくし、もう良い子でいるのをやめるわ。だってね、わたくしが損をするでしょう?」
「……アシュリー」
「みんな大っ嫌い……だからわたくしがすべて壊してあげる」
アシュリーの目からは止めどなく涙が流れている。
けれど震える唇は綺麗に弧を描いていた。
もしユイナが異世界から来なければ、アシュリーの立場はまだあったのかもしれない。
しかしこうなった今だから思うのだ。
いつかはこうなっていたのではないかと……。
アシュリーはこうなるとわかっていたのに気づかないフリをしていた。
両親に金儲けの道具にされていたことも。、オースティンに愛されてなかったことも、サルバリー国王と王妃や国民たちにすら疎まれていたことも……。
もちろんアシュリーが知らないことあったけれど、家族を守りたいからと踏み込まないようにしていた。
現実を見ないようにしていたのはアシュリー自身だ。
本当は全部わかっていた。