捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
ロイスは幼い頃から、ずっとアシュリーの心が潰れないように守ろうとしてくれていた。
けれどたとえロイスに諭されたとしても、もうアシュリーの願いも目的も何一つ変わらない。
アシュリーが小さく首を振ると、ロイスはぐっと唇を噛んだ。
そんな時、クララが口を開いた。


「アシュリーお嬢様、クララはお嬢様の気が済むのであれば、それで構いません!」

「クララ……」

「今までアシュリーお嬢様は本当にたくさんのことを我慢してきました……!それはお嬢様のそばにいたクララが一番理解しております」

「……おい、クララ!」

「ロイス様、申し訳ありません……!けれど私はっ、私だけは何があってもアシュリーお嬢様の味方ですから!」


クララはアシュリーの手を握り、震えながら涙を流していた。


「今回、アシュリーお嬢様様をお守りできずに申し訳ございません。あの時、私が無理矢理にでも止められていたら……このクララ、どんな罰でも受けますから!」


クララは責任を感じているのだろうか。
彼女の言葉に胸が揺らいだ。
そっと包み込むようにクララの手を握り返す。


「あなたを罰するなんてとんでもない。クララ、いつもわたくしのために動いてくれてありがとう」

「アシュリーお嬢様……!」


アシュリーはクララを優しく抱きしめた。

(罰を受けるのはクララじゃないわ……アイツらの方よ)
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