捨てられた聖女の復讐〜みんな大っ嫌い、だからすべて壊してあげる〜
ギラギラと輝く太陽ですらアシュリーを嘲笑っているような気がした。
クララが複雑そうな表情で地面に寝転がるアシュリーを見ている。


「アシュリーお嬢様、お肌が焼けてしまいますよ」

「ああ、そうね」

「いいのですか……?」

「だって、もうわたくしには関係ないもの」

「……アシュリーお嬢様」


昔、オースティンに言われたことがあった。
「アシュリーの肌は雪のように白くて素敵だ」と。
それからは室内でも日焼けをしないように気をつけていた。
オースティンが言っていた好みや褒め言葉をアシュリーはすべて覚えていた。
長い髪が好き、明るい色が好き、常に笑顔でいる人が好き、物静かな人が好き……少しでもオースティンに愛されるために自分なりに努力をしていた。

けれど、こうなってしまった今では、あの男の好みを気にしたところで仕方ないではないか。

実際、ユイナは肌も白くはないし、日に焼けていて健康的な肌の色をしている。
髪は自分よりもずっと短く、肩ほどの長さだ。
性格も物静かとはかけ離れており活発そうだった。
オースティンが言っていた好みとは真逆だが、彼はユイナを愛していると言った。

(何度考えても馬鹿らしいわ……あんな人に愛されたいだなんてどうかしているのよ)
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