七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
魔女である祖母は、よく言っていた。

「魔女は多かれ少なかれ、何かが欠けている。
が、それを補うだけでなく、それ以上の力を持つことができる。」

確かにリセの魔力は強い・・そして頭もいい・・
知識・技術も取得してきたが

ひと月の1/3は<冬眠>、つまり寝込んでしまう。
それが彼女の<欠けている部分>

仕事は限られてしまう。当然、収入も厳しくなる。

<魔女ホルモンの枯渇>問題は、いつもリセの人生に、暗い影を落とした。

「おーい、車をまわせ」

ダリウスの怒鳴り声に、リセははっとして顔を上げた。
駐車場の通用口から響く声。

ダリウスが女性を抱き、片手を上げてリセに合図を送った。

その、<お持ち帰りの>女性は、黒髪が豊かに波打つ。
グラマラスな体を、紫のセクシーなドレスで包んでいて、リセの容姿と対極にある・・といっていいだろう。

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