七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
リセは二人に頭を下げてから、
すばやく車の後部ドアを開けた。

ダリウスもその女も、リセをまったく無視して車に乗りこんだ。

「ホテルに戻りますが、よろしいでしょうか」

「ああ、それでいい」
ダリウスが答えたので、リセは車のエンジンをかけた。

時折、バックミラー越しに二人を確認すると

「ふっ・・・う」

後部座席で、何回も繰り返されるディープキス・・・

女性のつけている香水だろう・・車内に強く充満して香る。

リセは極力後ろを見ないように、前方に集中した。
そして思った。

これは鬼系の護衛は、絶対に無理だ。

リセはこの任務の人選に苦慮していた、自分の恩師の顔を思い浮かべた。

鬼系は基本、護衛に向いている。
力もあり、戦闘能力も高い。

しかし、性欲が強い。
このように見せつけられたら・・・判断も狂うだろう。

その時、ミラー越しにダリウスの視線を感じた。
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