七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ

魔女、遊園地に行く

<次の次の日・5日目>

リセは指定された時間に、ホテルの駐車場で待っていたが、足元が落ち着かない。

朝、いつも履いていた黒パンプスのヒール部分が、壊れてしまったのだ。

しかたなく、「サイズが合わないから」と、知り合いがくれた赤い靴をはくしかなかった。

ヒールも少し高めだし、かかとがすれるのも気になる。

パンツの裾が長いめなので、ギリギリ赤は見えない。

何とかなるだろう・・
リセはポケットの中に、靴づれ対応の絆創膏が入っているのを確認した。

数人の鬼護衛が、駐車場に歩いて来たので、リセはすぐに頭を下げた。

出て来たダリウスは、グレーのフード付きのパーカーの上に紺のカジュアルジャケット、

下はジーンズ、白の革のスニーカーという、どこにでもいそうな青年のようだった。
しかも、黒いサングラスをかけている。

今日はパーティではないらしい。

いつもの通り、ダリウスは後部座席に座った。
「どちらに行かれますか?」

リセが聞くと、ダリウスは少し考え込んでいたが
「遊園地だ」

「わかりました」
リセも、いつもと同じように答え、頭を下げた。

すぐに、リセの脳内はフル回転していた。

ダリウスが一人で遊園地に行くのはおかしい、何か意図があるはずだ。

それとも、誰かが来ていて、合流するのか・・・

とにかく、注意をしなくてはならない。

遊園地は人が多い。
ダリウスにまかれたら・・人混みに紛れてしまったら、探すことは困難だ。

リセの予想どおり、遊園地は多くの家族連れで賑わっていた。

ダリウスはどんどん先を歩く。
しかも歩幅が大きい。
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