七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「そうだ・・彼女はとても優秀だったが、少々難ありだからね・・・」

子鬼娘は、意味がわからず首をかしげたが、補佐官は書類に目をやったままつぶやくように

「1週間だけなら・・なんとかなるか・・・
他の候補者を派遣して、前のようにダリウス様につぶされるのも困るしな。」

補佐官ははじめて顔をあげて、
胸元をしきりに気にしている子鬼娘に声をかけた。

「リセを呼んでくれ」

コンコン
軽いノックの音がした。

「入ってくれ」
補佐官が声をかけた。

「失礼します」

グギィーーー

その声の主は、重く分厚い扉を開けるのに苦労している。

おまけにひきずっている黒のローブが、ドアの隙間にはさまっているではないか。

魔女は引っかかったローブをあわててひっぱり、補佐官に深くお辞儀をした。

「このドアは古いからな。
それにセキュリティのために、開閉の認証魔法がいる」
補佐官は苦笑した。

「ひさしぶりだな。リセ」
< 3 / 92 >

この作品をシェア

pagetop