七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
リセは少し口ごもったが

「ダリウス様のベッドで休ませていただいた時・・
ベッド脇で靴を取った時に本が見えました」

ダリウスは、微かにうなずいたようだ。

「他には?」
ダリウスも、口頭試問する面接官のように聞いてくる。

「ナイフを常に3本は所持されています。
ダリウス様は攻撃・接近戦に強いタイプとお見受けいたします」

足首、腰のベルト、もう1本は胸か背中あたりに・・

それ以外にも催涙スプレーとか、スタンガンとか、いろいろあるかもしれない

ただ・・本当は寂しい人なのかも・・・

時折よぎる虚無感、笑っていても、心から楽しんでいるようには見えない。

リセは、それを言うかどうか迷ったが、口を閉じた。

「お前はシナモンクッキーが好き、水が怖い・・そうだろう」
ダリウスは、楽し気に言った。

「はい、そうです・・」

やっぱりばれていたか・・
リセは少し頬が赤くなった。

ああ、でも彼は・・
初日のように、お持ち帰り美女とのディープキスをする人なのだから。

「さて、戻るか・・」

ダリウスはそう言うと、
片手でゆっくりオールを漕ぎ、方向転換を始めた。

ボートを降りる時も、ダリウスは先に降りて、揺れるのが怖いリセに手を差し伸べてくれた。

リセは思いついた。
これって・・デートというものではないか?
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