七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「いい場所だな・・静かだ」
ダリウスはコーヒーを一口飲むと、独り言のように言った。
護衛は、食事をすぐにすませなければならない。
学校時代、鬼系男子は昼休みに5分で食事を終えて、外に遊びに行った。
リセは早く食べられなくて・・・
昼食をシナモンクッキーにすることにした。
リセはベンチの脇にコーヒーのカップを置き、膝の上にハンカチを広げた。
ダリウスが食べ終わったら、すぐに動かねばならない。
好物のシナモンロールは、ハンカチに包めば持って帰れるし・・
「お前はこの仕事が終わったら、どうするのだ?」
ダリウスがホットドックを半分ほど食べ終わった時、いきなり質問をしてきた。
リセは、冷めたコーヒーを一口飲んだ。
「何も決めていないので・・仕事を探します」
ダリウスはリセの膝の上のシナモンロールが、手つかずなのに気が付いたようで
「どうした、食わないのか・・」
リセはうつむいて言った。