七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「私は食べるのが遅くて・・
御迷惑をおかけするので、申し訳ございません」

それだけではない、ネコ舌だ。

「かまわない・・ゆっくり食べろ。
今日は時間がある」

ダリウスは湖を見ながら言った。

「ありがとうございます」

リセはそう言って、シナモンロールを両手に持って、一口かじった。

本当は・・リセも空腹だったのだ。

口内にシナモンの香りと、アイシングの砂糖の強烈な甘さが広がる。

そして苦いコーヒーが、その甘さを和らげてくれる。

<マリアージュ>

全く異なる組み合わせなのに、
お互いを高め合う関係とは・・
なんてすばらしいのだろう。

リセはちょっと感激して、もそもそ食べ始めた。

ダリウスは食べ終わっても、ずっと湖を見ていた。

水面が風に揺れ、水鳥たちが連なって泳ぐので、複雑な模様ができては消える。

ダリウスは、リセが食べ終わるのを、待っていてくれたのだ。

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