七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「なるほど、で、他にもあるのだろう?」

ダリウスは興味深々で、次を促している。

こうなると、リセもお手上げだ。

ポケットから小さな袋を取り出し、出て来た様々な色の球を手の平に出した。

「これは煙幕を張る時に使います。
こっちは閃光弾ですね。こっちは炎のように見えるものです」

「攻撃相手をかく乱して、逃げる時間を稼ぐわけか」

ダリウスは、すぐに用途を理解した。

「はい、護衛の仕事では、できるだけ早く主人の逃げる時間を確保することが重要ですから」

ダリウスは腕組みして、うなずいた。

「魔法を使わないのか?」

「大きな魔法は体力を消耗するので・・
風の向きを変えるとか、小さな魔法と組み合わせます」

「おもしろいな。実際に見て見たいものだな」

リセは額にしわを寄せ、拒絶の表情をみせた。

「使わないのが一番です。
スカンク玉を使うと、1週間くらい臭いが取れないし、大変です」

「そうなのか、それは確かに危険だな」

ダリウスはクククと笑った。

「これは武器ですから、登録した魔女しか扱えないものなのです」

ダリウスの欲しがりそうな気配を感じて、リセはすばやく予防線を張った。
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