七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「面白すぎる」というように、かがんで絆創膏を貼っているリセを見た。

「いえっ、貰い物です。
あの・・お金が無くて・・替えの靴が買えなくて」

ああ、なんで、自分の貧乏生活をこの王族の前で・・
告白をしなくてはならいのか・・

リセは自分の動揺を見られたくなくて、急いで靴下をはいた。

「かわいいと思うが・・」
ダリウスは何気なくいうと、靴を地面に置いた。

かわいいなんて・・・
リセは、素早く靴を取り、自分の足元に置いた。

もう、かわいい靴を履く年齢ではないのだが・・・・

そろそろと足先を突っ込んで、かかとの具合を確かめる。

まだ痛みは少しあるが、何とか歩ける状態であることにホッとした。

「その・・ダリウス様、お時間を取らせて申し訳ありません。
大丈夫です。ちゃんと歩けますから・・」

ダリウスは立ち上がって、駐車場の方向に視線をやっている。
< 44 / 92 >

この作品をシェア

pagetop