七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「駐車場までは、少しあるな。
それでは・・」

ダリウスが、いきなりリセの前に背を向けてしゃがんだ。

「おぶされ!」

「いえっ・・そんなことは・・」

リセの記憶が、すかさず逆回転する。

そうだ・・この人は私の事を重いって、言ったのだ。

もぞもぞしているリセに、ダリウスは振り向き断言した。

「俺はこの後、会食の約束がある。
おまえがモタモタ歩いていたら、渋滞にまきこまれて、遅刻をするだろう?

次に、お前のその足で、ブレーキとアクセル操作がうまくできなかったら、どうなる?
俺を危険にさらす気か?」

護衛は、主人の命令に原則従う。

リセはダリウスの首元に手をまわした。

「すみません・・」

それしか言葉がでない・・
リセの顔が真っ赤だ。

「よっと・・!」

ダリウスはリセをおぶって、湖畔の遊歩道を歩き出した。

陽が傾き、湖面に夕日が乱反射している。
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