七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
ダリウスは何もなかったように、リセに命令をした。

リセは拳を握り、視線を逸らす事無く、ダリウスを見つめた。

魔女は目力が必要だと、祖母は言っていた。
相手からなめられないために。

「ダリウス様、お返しください。あれは・・」

「あのチョコレートでは、満足しないと?」

ダリウスは楽し気に、しかも挑発しているような声音を出した。

「その、あれは私個人の所有物ではありません。ですから・・!」

リセはできるだけ冷静に・・
ゆっくりと言ったのだが、呼吸が浅くなる。

「話が長くなりそうだな。居間に来い。そこで話を聞く」

ダリウスは、執事に手を軽く振って

「今日の夕食は部屋で取る。
あと、荷物の運び出しと明日のスケジュール確認をしてくれ」

「かしこまりました」

執事は頭を下げて、部屋から出ていった。

対決する時が来た・・リセは腹に力を入れた。
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