七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「それに、面倒な事は弁護士に任せてある」

ダリウスは、狡猾な視線をリセにやった。

罠に入ったウサギを見ている視線だ。

時間魔法を使えば・・リセは考えた。

時間魔法・・

それは一瞬、時を止め、自分だけが動くことができる魔法だ。

スカンク玉を簡単に取り返す事はできる・・が

それを使えば1か月は寝込むし、何よりも王族に魔法を使う事は侮辱罪、不敬罪にあたる。

そして、自分が逮捕される。

あまりにも分が悪すぎる。

ダリウスは逡巡しているリセを見て、楽しそうだ。

「そうだなぁ・・返すのはやぶさかではないのだが、ただ返すのではつまらない」

ダリウスは手の平で、スカンク玉を転がしながら

「俺はいろいろな女と、つきあったのだが・・」

ダリウスは立ち上り、
目の前で「気を付け」姿勢で固まっている、リセの手首をつかんで引っ張った。
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