七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
リセはフカフカのソファーに投げ出され、ダリウスがその上にまたがった。

「どうだ?動けないだろう?」

リセの両手首は、ダリウスに押さえこまれている。

ギシギシとソファーが揺れ、リセの背中が座面に沈み込む。

ダリウスがリセの耳元に顔をつけ、ささやいた。

「シナモン、あと、草の匂いがする。
草原で、野兎を捕まえたって感じだな」

「魔女は薬草を色々扱うので・・臭いが・・し・・しみつくのです・・」

そう答えながら、
リセは助けが呼べるかどうか、
顔を横に向けて、扉の方に視線をやった。

執事が戻って来てくるまで・・
何とか時間を稼いで・・

「ああ、そうだなぁ・・
俺はまだ、魔女と付き合った事がないからな」

ダリウスが少し顔を上げて、リセの瞳をのぞき込んだ。

その金の瞳は潤んで、琥珀のように赤みがかっているように見える。

「さて、魔女とのキスはどんなものなのかな?」

キス・・・・なんて・・
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