七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
リセの頬から、ぼろぼろと涙が垂れて止まらない。

「うぐっ・・うぐっ・・」

声を殺して、泣くのをこらえているのだが・・

「そんなに嫌なのか・・なんか・・へこむな」

ダリウスは大きくため息をついて、横目でリセを見た。

「返すよ。だから泣くな」

長い指先でポケットからスカンク玉をつまみだして、テーブルに置いた。

「ううううう・・・ありがとございますぅ・・」

リセは引きつった声を出しながらも、
体を何とか起こして、テーブルの上のスカンク玉をつかんだ。

ダリウスはテーブルの端にあった、ティシュペーパーの箱をリセの前に滑らせて

「ほら、鼻をかめ。もう、しないから」

「はい・・ううう・・」

リセはブヒィと鼻をかんで、もう一枚で目元をぬぐった。

「何か飲むか?」

ダリウスの質問に、リセは小さくうなずいた。

小さな子どものように、丸まって泣いて恥ずかしい。

祖母なら絶対にこう言うだろう。
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