七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
この執事に先ほどのことを、勘繰られてはいけない。

「予定通り、アラステアに行く」

ダリウスはそう言って、サイドテーブルに置いてある大きな薔薇の花束に目をやった。

リセは脳内検索をすぐにした。

<アラステア・・>

ダリウスの母方の祖母の別荘で、生母がそこで育ったともいわれる。

「少し遠いのだが・・」

ダリウスはリセを見た。

「わかりました。車を用意いたします」

リセは立ち上がり、頭を下げ退室した。

今日が最後なのだ。

最後まできちんと仕事をすること、それがリセのお仕事プライドだ。

それに、スカンク玉も取り返したし、不安材料はもうないはず・・だが・・。


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