七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「いいえ、ないです」

ダリウスは舌打ちをすると、祭壇の引き出しの奥、裏を探り小さな銃を取り出した。

「銃は・・これしかないな。
すぐに館に移動する。狩猟用ライフルがある」

リセがダリウスの腕に触れた。

「ダリウス様、安全な場所に逃げる算段を・・」

敵の状況がわからないまま、応戦するのは危険だ。

まず、主人の身の安全を確保するのが最優先になる。

「脱出のための時間を稼ぎます。
まず煙幕玉と閃光弾を使って、風魔法で、煙の流れをコントロールして・・」

そう言いながら、
リセは、スリングショットとポケットの小袋からいくつかの玉を出した。

「ですので、ダリウス様、その間に祭壇の後ろの窓から脱出してください。
私がここでなんとかくい止めます・・」

「お前、接近戦で瞬殺されるぞ!」

ダリウスはあきれた顔をしたが、すぐに、祭壇脇の大きな飾り戸棚を蹴っ飛ばした。
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