七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
すると戸棚がスライドして、下にぽっかりと階段が見えた。

人が一人やっと通れるくらいの狭さで、階段の先は暗い闇で包まれている。

「非常通路だ。屋敷の納屋につながっている」

ダリウスがリセの手首をつかんだ。

「煙幕玉を貸せ。俺が投げる」

「だめです!!煙を吸うと喉がやられます!
すぐに離脱をっ!!」

リセはスリングショットをかまえた。

「入口の扉に2発当てます!!」

パンパンという軽い音がすると、白い煙が勢いよく広がった。

「行くぞっ!!」

ダリウスの声と同時に、リセは肩をつかまれて避難通路の壁に叩きつけられた。

ダリウスがすぐに戸棚を閉めたが、戸棚の下の隙間から白い煙が入ってくる。

リセが小型電灯で先を照らしたので、ダリウスが狭い通路の先を指さしたのがわかった。

「こっちだ。この先が納屋だ」

通路の先、隙間から光が抜ける木戸を目指して、ダリウスが先に大股で進む。
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