七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「いやぁ、スリングショットで
スカンク玉とか、煙幕玉とか打ってみたかったんだけどな」

ダリウスは両肩をすくめて、本当に残念というジェスチャーをした。

「はい、ダリウス様に事前にお知らせすると・・」

執事は額にしわを寄せて、渋い顔をすると、コホンと咳払いをした。

「すぐにお遊びになるのは、こちらとしても想定内ですので。
そうなると試験にはならなくなります。
ですから、抜き打ちとさせていただきました」

「はぁ、お前も食えないやつだよな」

ダリウスはわらの束をつかんで、不満げに執事に投げつけた。

「はい、護衛はダリウス様の命を預かる、重要な仕事ですから」

執事は軽く頭を下げ、次に腕時計を確認した。

「リセ、勤務はこれで終了です。お疲れさまでした」

リセは・・
頭を下げたように見えたが・・
そのまま倒れ込んでしまった。


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