七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
絆創膏を何枚も重ねて貼ったので、痛くはない。

ロッカー上部の棚には、
ダリウスから贈られた、あのチョコレートの箱が置いてあった。

リセは一つつまんで、口に入れた。

甘く、オレンジの香りと苦味・・
ガナッシュに、ビターオレンジを使っているのだろう。

とにかくすべて終わったのだ。

運命の糸は交錯するが、また離れる・・

ダリウスも私も、明日から新しい日常を過ごすことになるだろう。

そのためには・・
ロッカーの扉についている小さな鏡を見て、いつもの癖で髪をまとめようとした・・・

<このほうが・・いい>

あの湖のほとり・・ダリウスの言葉が響いた。

リセは髪を束ねるのをやめて、手早くブラシでとかした。

それから小さなポーチに入っていた、まったく使わなかった口紅を手に取り、薄く唇に引いた。

小さな鏡の中のリセは、いつもと少し違う・・

顔色もだいぶ良くなったように思える。
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