七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「そんな、かわいい恰好をしているとは・・
わからないはずだ・・」

ダリウスはいつもの皮肉っぽい調子だったが、
次の言葉は違った。

「心配した・・」

ダリウスがつぶやくように言った。

「お薬をもらって、少し休めたので・・大丈夫です。
ご心配をおかけして申し訳ありません」

リセは動揺を見せないように、
慎重に答えた。

「渡したいものがある。」

ダリウスがそう言うと、
リセのそばまでゆっくり歩いてきた。

「手を出せ」

ダリウスの命令口調に、
リセはトランクを道路に置いて、手を出すと、
大き目の鍵が落とすように置かれた。

「アラステアの山荘の鍵だ。
マスターキーだから、すべて開けられる」

リセは驚いて、ダリウスの顔を見た。

アラステアの山荘・・
この人の聖域・・誰も入れないはず・・

サングラスで彼の視線はわからない。
しかし、リセは理解した。

ダリウスは本当の事を言うときは・・・隠すのだ。

「なぜ・・ですか」
< 77 / 92 >

この作品をシェア

pagetop