七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「ダリウス様・・
私は、これから10日ほど、寝込んでしまいます。
その・・・それからでもお返事は・・いいですか」

そうなのだ。

もう・・魔女ホルモンの低下・・・
体力も思考も限界にきている・・

ダリウスは、少し考えていた。

「寝込む場所は・・アラステアの山荘でいいか」

リセは、小さくうなずいた。

最初のバスではなく、最初に出会った人がこの人なのだから・・

ダリウスは、道路脇に置いてあったトランクを持つと、
そばに停車してあった車の後部座席に放り投げた。

そして、助手席のドアを開けてくれた。

「早く乗れ。立っているのは、つらいだろう」

リセは、ふわふわのスカートをさばくのに苦戦したが、
なんとかに乗り込み、シートベルトをしめた。

もう、体が重い・・
目を開けているのもしんどい。

「おまえ、結構かわいいと思うが・・」

目を閉じていると、ダリウスの声が横で聞こえた。
今まで<かわいい>なんて言われた事ない・・・

リセはぼんやりと思った。

<もう、ひとりぼっちではない・・> そんな思いも浮かんだ。

ダリウスも同じように思っているのだろう。

そうなのだ・・

私たちは似たもの同士なのだ。

欠けた破片が合わさるように・・
これは理屈ではなく・・
きっと・・

ダリウスはサングラスをとらないから・・・
本心なのだろう。

が・・目が覚めたら・・
リセは、深い眠りに落ちていった。
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