七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
正面の写真は不機嫌そうで、にらみつけているようにも見える。

横顔は、やや伏し目がちでアンニュイな、何もかも飽きた、うんざりという感じか・・

写真の裏側に誰かが赤ペンで急いで書いたのだろう、メモ書きがあった。

非公式情報・・・
退屈すると、ナイフ投げの練習と称して、護衛を的にしてナイフを投げて遊ぶ。

護衛が自分の意に沿わない行動をとった時、瞬時にナイフが投げられる。

護衛担当者は、自分の身を守ることも必要!!!!!

リセは最後の一文を呼んで、目を丸くした。

警護対象から自分の身を守るって・・・
いったいどのような事?!!!

ダリウスが警護担当者にナイフを突きつけ、攻撃する可能性があるということ。

Aランクの要注意・危険人物ではないか。

リセも補佐官と同じように・・・大きなため息をついた。

割増金をもらったとしても、
護衛対象からも、攻撃される危険があるとは・・

これはもう、無理な仕事だ。

<断るしかない>と思い、リセは立ち上がって秘書を探した。

急いでドアをノックするが、無反応・・

ドアノブをまわすと、カチャッと音がするが施錠されている。

すでに、秘書も補佐官も姿をくらましていたというわけだ。

<ああ、まったく・・・>

リセは机の上に書類を置いて、座り込んだ。
一週間・・なんとかしのげればよいが・・
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