七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
魔女の過去
リセは、アラステア山荘の客用寝室で、終日トロトロ眠った。
ダリウスの乳母だったという老婦人が、身の回りの世話をしてくれた。
目を開けると、ベッドサイドのテーブルにマスターキーが置いてある。
リセはそれを見ると、また眠りについた。
朝と晩に、ダリウスは様子を見にきてくれたようだ。
時折、リセがうっすらと目を開けると、
ダリウスが、ベッドの脇のソファーで本を読んでいる姿が見えた。
立ち去る時は必ず、リセの頬の傷に指先で触れた。
10日目の朝、リセは目を開けた。
横を見ると、やはりベッドサイドテーブルにマスターキーがそのまま置いてあった。
ダリウスはこれから来るのだろうか・・・
いつもリセが泊まる安ホテルと違い、とんでもなく大きいベッド。
両脇に、深紅の厚手のカーテンが取り付けられていた。
壁には大きな暖炉があり、飾りのついたソファーとローテーブルも年代物のように見える。
天井が高く、窓が大きい。
壁紙は重厚で、金の入ったダマスク織り。
リセはベッドから滑り降りて、窓まで歩いて行った。
レースのカーテンの隙間から、正面玄関のつる薔薇が見える。