七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「はぁ・・」

リセの着ている寝間着は、ミルキーホワイトの上質な絹で、体にそってしなやかに触れた。

コンコン

軽いノックの音が響き、

「リセ様、起きていらっしゃいますか?」

あの老婦人が、シナモンクッキーの入ったかごを手に、入ってきた。

「ダリウス様がお食事をご一緒にと、言っておられます。
お支度をお手伝いいたしますが・・」

「いえっ・・大丈夫です。
もう一人で問題ないので。
ありがとうございます」

リセは慌てて、窓から飛びのいた。

「洗面所と浴室は、ご自由にお使いくださいませ。
お持ちになったトランクは、クローゼットに置いてあります」

「ありがとうございます」

「それでは、お支度がすみましたら、壁の呼び紐を引っ張ってくださいまし。
食堂にご案内いたします」

老婦人は、テーブルの上にかごを置くと、軽く礼をして扉をしめた。

リセはもう一度ベッドサイドのテーブルを見た。

アラステア山荘のマスターキーが置いてある。

<現実を見るんだよ。ヒキガエル>

祖母の冷やかな声が、どこかで響いた。

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