七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
その声は、魔女に現実検討能力を呼び起こさせた。

幼い頃から、常に現実を考えて行動することを、祖母から徹底的に叩き込まれた。

おしゃれをすること、楽しむ事、友達とおしゃべりする事、

それらはすべて無駄な事で、必要のない事と、祖母は判断していた。

学校時代、他の少女たちのようにリボンやレースで着飾る事を祖母は許さなかった。

「時間と金の無駄」と言ったから。

リセは、パーティや遠足にも参加をしたことがない。

まだ少女の時、リセは薬草摘みに野原に出た。

野原には、美しい花がたくさん咲いていた。

リセは一輪の花を摘み取り、耳元にさしてみた。

この間、学校の図書室で読んだ・・その時の本の挿絵

可愛らしい少女たちが花輪を頭に飾り、楽しそうに手を取り合ってダンスをしていた図版。

リセも少し、まねをしたかったのだ。


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