七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
「魔女か・・っ!!?」

ダリウスは、ゴシップ誌にスキャンダルをすっぱ抜かれた有名人のような顔をした。

「おまえは・・まだ経験がないと・・・
あの時、泣いて嫌がったよな・・・」

その金の瞳が揺れ、次に伏せられた。

「俺は結構、傷ついたんだけど・・
その、魔女はキスだけでも妊娠するとか?」

ダリウスは、言った後に顔を歪めた。

小学生並みの性知識発言だと、気がついたのだろう。

「いえ、でも相手の体液との接触で、妊娠しやすくなります」

リセはそう答えて、祖母のことを思い出していた。

祖母は・・
月経がはじまったばかりの若い魔女に、苦い味の避妊薬を処方した。

「空っぽの頭に、よぉおく、刻み込んでおきな。
魔女は、男と初めてやったら、
必ず妊娠するのさ。

ガキが産まれたら、どうする?
厄介者が増える」

祖母は「厄介者」と言う時、必ずリセをにらみつけた。

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