七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ


正式な婚姻って・・

ナイフより、すごいものが飛んできた。

「・・・・それで・・私なんかで・・
大丈夫なのでしょうか?」

魔女は、鉄壁の現実主義者ゆえ、
驚くほど冷静だった。

ダリウスの立場、王族、命を狙われる危険が常にある。
もちろん、家柄の釣り合いとか・・

「お前なら大丈夫だろう。
護衛経験もあるし。魔女だし」

ダリウスは軽く言うと、
あっけにとられているリセの頬に、キスをした。

「あとで、ちゃんとキスするから、心の準備をしておけ」

照れくささを隠すように、すぐに立ち上がり、
使用人に、食事の準備をするよう言いに出ていった。

残されたリセは、目の前に置かれたオパールの指輪を見つめた。

昔読んだ童話で

<お姫様はヒキガエルにキスをすると、王子様に姿を変えた>

これは

<王子様がヒキガエルにキスをすると、魔女に姿を変えた>

というわけか・・

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