私を愛してくれた彼は・・・【Epsode-0】
苦笑いしながらそう言っている幸我には
どうやらバレていたみたいで。
「で?かぐや姫と逆ってのは?」
「いやぁ、かぐや姫は月に帰るでしょ?
だから月へ帰った龍平のこと思い出してて…向こうでも元気してるかなって……んっ……」
不意にキスをされ
ぎゅっと幸我の袖を掴んだ。
「…何その可愛いの。」
そう言われ顔が赤く染まった気がした
恥ずかしさで思わず顔を隠した。
「でも、顔が見えないのはちょっと残念だ。」
落ち込む幸我に、思わず出た言葉は
「見なくていい、…恥ずかしいから」
そう、私が言ったら……
「あ、今絶対可愛い顔してる!大人しく見せろっ」
幸我は、覆いかぶってきた。
「もっとキスしたい。こっち向いて。」
「……んっ」
「結構、すき……」
「ん?何が?」
「あっ、いや、なんでもない……」
照れを隠すように、顔を隠そうとするが
目が離せなくなる。
「何が、結構好きって?」
こういう時の幸我は、意地悪な小悪魔だ。