突然ですが、アイドル双子が急接近!
「アイドル双子、かあ……」
舌を、買ったばかりのアイスで当てながら私はつぶやいた。
フルーティーな、ぶどう味のアイスが舌を冷やしていく。
なんだか、この学校って本当にマンガの世界みたい。
アイドルのような扱いを受けている、双子。
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、それにファンクラブ。
「果歩」
低音ボイスがいきなり、私の名前を呼んだので驚いて見ると、そこにはあのアイドル双子がいた。
でも、1人しかいない。
智也先輩……は、私のこと『果歩ちゃん』って呼ぶし、それにこの口元をキリッと結んだ表情は、ビター担当の……。
「ふ、楓也先輩!?」
「そ」
楓也先輩は、私の隣に座った。
というか、楓也先輩、野球部に入っているって向日葵先輩は言ってたよね?
今日は、ないのかな?
「あ、あの……部活は……」
「俺? 野球部だけど、今日は早く終わった」
そうか……。
って、だとしてもなんで楓也先輩は私の隣なんかに今座ってるの!?
「そのアイス」