突然ですが、アイドル双子が急接近!
「はい?」
楓也先輩は、私のぶどうアイスを指さした。
「一口もらっていい?」
「え!?」
な、なぜにいきなりアイスを〜!?
この、私が食べてるぶどうアイスを一口食べたいってこと!?
確かに楓也先輩は今、そう言ったはず。
「ま、そんなに嫌ならいいけど」
「ど、どうぞ!」
気がつけば、私は先輩にアイスをあげちゃってるし。
楓也先輩はそれを受け取って、一口ぶどうアイスをパクリと食べた。
「ん。さんきゅ」
ごくっとアイスを飲み込んだ後、先輩は私にそれを返却してくる。
私がアイスを持ったと思うと、楓也先輩は席を立って帰ろうとした。
「あっ……どういたしまして……?」
遠ざかる先輩の背中、その場では私の小さな言葉だけが残った。
アイス……一口あげちゃった。
でも、どうして楓也先輩が私のところへ?
そして、なぜいきなりアイスを?
アイスを食べ終えた後も、家に帰ってからも、私は楓也先輩の行動が理解できなかった。