突然ですが、アイドル双子が急接近!

翌日、今日はちょっぴり早く学校へ到着した。



「やあ、果歩ちゃん! おはよう!」



明るい声が、私を引き留めた。

智也先輩……だっ。

そして、全く同じ顔をしている男の人がもう1人……楓也先輩も一緒にいる。



「あっ、先輩。おはようございます」



「ふーん、お前が果歩か」



智也先輩と同じ顔をしているのに、笑顔を見せることなく、まじまじと私を見つめる楓也先輩に、ドキリとした。



「お、おはようございます! あっ、初めまして……?」



そういえば、楓也先輩とはまだ初対面だった。

だからこの場合は、“初めまして”が正しかったね。

私のおどおどした態度を見て、智也先輩はクスッと笑ったけれど、楓也先輩は相変わらずにこりともしない。



「まあ、よろしく。兄貴から、お前のことは聞いてるよ」



「そういえば、昨日は僕の自己紹介してなかったよね。今は弟も一緒だし、せっかくだから僕たちの自己紹介するね! 僕は大杉 智也。ささ、お前も!」



智也先輩は、自己紹介が終わると楓也先輩の肩をポンと叩いた。



「俺は、楓也だ。これでいいのか?」



「ちょっと態度悪い弟だけど、よろしくね!」



「は、はいっ!」



ちょっと怖そうだったけれど、明るい智也先輩の弟だから、きっといい人……なんだよね!




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