天才外科医に娶られてママになりましたが、溺愛生活継続中です
もし妊娠しているのだとしたら……嬉しい。


「草壁さん」


私が処置室から呼ぶと「どうしたー?」と、すぐに彼女が駆け付けて来てくれた。


「草壁さん……私、生理が遅れてて」
「えっ!?」


突然の告白に草壁さんは驚く。

でも、それもそうだろう。相道さんのことでストレスを溜めていたのかもしれないと思われていた私が、まさかの告白をするのだから。


「ど、どれくらい!?」
「えっと……2週間?」

「ちょっと待ってて!」


それだけ言って、草壁さんは慌てた様子でどこかへ行ってしまう。しばらく待っていると、手になにかを持った彼女が戻って来て、私に手渡した。

草壁さんがくれたのは、簡易的な妊娠検査薬。


「実は産婦人科に常備してあるの。内緒でもらって来ちゃった」


茶目っ気たっぷりでそう言った草壁さん。

い、いや。今、ここで検査するの?
心の準備、なにもできていないんですけど……。


「起きられる?」
「あ、あの。今、した方がいいですか……?」

「してしまおう! 早い方がいいよ」


彼女に促されてゆっくりベッドから起き上がると、外来近くのトイレへ向かった。まだ少しふらつくけれど、これはもしかしたら妊娠しているからかもしれない。
< 40 / 51 >

この作品をシェア

pagetop